医療経済研究機構の「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書(平成16年度)」によると、平成15年度における糖尿病患者さん一人当たりの年間医療費は、診療報酬点数をもとに計算すると平均298,700円となります。(なお診療報酬の総額となりますので、保険内容により患者さんの負担額は個人によって異なります)
医療費を合併症の有無でみると、合併症がない患者さんは平均より低く、246,590 円となっており、合併症の数が増えるに従い、高くなる傾向にあります。合併症が4つの場合605,260円で、合併症のない患者さんに比べて約2.5倍にもなっています。
糖尿病症状が進行すれば合併症が発症し、医療費もそれに応じて高くなり、患者さんが治療費として支払う金額も大きくなります。糖尿病と診断され、かつインスリン治療が必要な場合は、早期から始めることにより血糖コントロールを良好にし、心疾患や網膜症(目の病気)、神経障害などを防ぐことで、将来の治療費の増加のリスクを軽減することができると言えます。
出典:「政府管掌健康保険における医療費等に関する調査研究報告書」(平成16年度)(医療経済研究機構)
※医療費は平成15年度の1年間における入院医療費、入院外医療費、調剤医療費の合算点数×10で算出
※三重県を調査分析対象とし、医療費詳細データを分析
※調査分析対象者数は2,834人(糖尿病は302人、そのうち糖尿病合併症は142人)
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