2型糖尿病の患者さんで、食事療法や運動療法を取り入れた生活を行っても血糖コントロールがうまくできない場合、薬物療法が導入されます。
まずは、経口糖尿病薬(飲み薬)が主に使用されます。経口薬療法によっても、血糖コントロールが不十分な場合には主にインスリンなど の注射療法を行います。インスリン療法には、主に「単独療法」と「併用療法」の2種類があります。
単独療法では、1日に数回(たいていは1~3回)のインスリン注射によって、良好な血糖コントロールを得ることを目的としています。
インスリン注射は毎日決まった用量とタイミングで行うため、使用するインスリン用量に見合っただけの量の食物を適切なタイミングで食べる必要があります。また、血糖値に影響を与える活動レベルについても注意しなくてはなりません。
インスリンの種類と用量、及び注射回数は、患者さんの状況(血糖コントロールの状況、食事の量やタイミング、活動量など)によって決められます。
併用療法は、インスリンと経口糖尿病薬を組み合わせて血糖コントロールを行う方法です。
この方法が適用される患者さんは2型糖尿病の患者さんだけで、特にすい臓のインスリン分泌能がある程度残っている患者さんに効果が認められています。使用されるインスリンと経口薬の組み合わせは、期待する効果や患者さんの状態によって決められます。
経口薬に期待される効果には、血糖値を減少させることだけではなく、末梢組織でのインスリン感受性の改善など様々な効果があります。
また、インスリン単独療法を行っても血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者さんに対して、併用療法を行ったところ、インスリンの注射回数を増やさずに血糖コントロールが改善したという報告も聞かれています。